北京オリンピックとワンコイン制度
公開日:2008年08月27日 | 最終更新日:2008年08月27日
カテゴリー:テニス改造論 | Tags: オリンピック, テニスの制度
本日の朝の報道番組、「フジテレビ::めざましテレビ」で、福田富昭日本オリンピック委員会 (JOC) 選手強化本部長が出演していました。野球の星野ジャパンやサッカーの反町ジャパンといったいわゆる「プロ集団」に関する問題をぶちまけて、いろいろと話題になっている人ですね。
ところで、番組では、福田氏の「スポーツ競技に対する予算があまりにも少ない」と苦言を呈し、それに対し出演者の方から、「国費を投ずるということは、税金を投ずるということで、税金を支払う側からすれば、結果が出なかった場合の説明が必要で・・・」といった反論とも思える発言がありました。
私個人としては、スポーツですから、結果(つまり、優秀な戦績のこと!)が出なくても、それはスポーツである限り仕方がないと思うし、結果が出なかったとしても、選手達の真剣に戦う姿を見れば、投資額に対する問題はないとは思うのですが・・・
ただ、北京オリンピックが開催される以前の福田氏へのインタビュー、「第 8 回 2016年、東京を舞台に活躍するアスリートの育成」で主張する「文化芸術面の行政庁として文化庁があり、予算に 1000 億円が計上されている一方、スポーツ対策関連予算は建設費を含めても 180 億、建設費を差し引けば実質スポーツ強化に費やせるのは数十億にも満たない現状」は仕方のないことだと思うわけです。なぜなら、文化芸術面では、国民の一人一人にほぼ平等にその恩恵を受けることができるのに対して、スポーツ対策関連予算は、それこそ上記のインタビューで福田氏が下記のように説明しています。
各都道府県単位で、小中学生を対象に、将来的な競技能力、適性などを基準に選抜が進められています。全国の8600人くらいの選手が様々な運動テストを含む選考試験により、最終的には 100 人前後がふるいに残り、エリート選手としてナショナルトレーニングセンター (NTC) に集められます。
更には、
北京でのメダル獲得を確実なものにするために、メダル量産態勢を可能とする5競技団体を中心に徹底的に強化するということです。これは、アテネでのメダル 37 個のうち 32 個が、柔道、水泳、レスリング、体操、陸上の 5 競技による獲得だったことに由来します。次にこの 5 競技の中でも特に有望な種目を特定し、それらの種目のトップレベル競技者の 3 番手までを底上げして鍛えていくこと。また、これら 5 競技以外に、団体競技、ボールゲームに特に重点を置くようにと指示しています。
即ち、国民一人一人に平等に与えられる特権ではないのです。北京オリンピックでの中国の躍進は、既に多くの記事似て説明されていますから、私が本ブログで詳細を語らずともよいと思っていますが、中国は全国民や全ジュニア達にスポーツ学校に参加するチャンスがあった!(ただし、過酷な競争に勝たなければ、退学になるらしいのですが・・・)それを考えれば、福田氏が言っている国策としての予算増強は納得がいきません。
良い例を(残念ながらテニスです)あげましょう。
既に始まっている「ワンコイン制度」。試合へ参加するごとに 100 円(団体は 500 円)を強制的に徴収される制度です。この「ワンコイン制度」は、日本テニス協会が、明確な指針を出しています。内容に関しては、「日本テニス協会::ワンコイン制度」で確認することができます。
日本テニス協会のウェブページによれば、「日本のテニスを世界レベルに引き上げ、次の時代に引き継ぐ、それが私たちの使命であり、ナショナルトレーニングセンターはそのための施設」だそうですが、最近の日本のテニスはどうでしょう・・・世界レベルというとかなりの疑問が残ります。
更に、「2008 年夏季に行われる、北京オリンピックに向けてメダル獲得への強化を重点」ということが明確に記されています。結果はどうだったのでしょう!?錦織選手は、北京オリンピック参加に向けて、ワンコイン制度の恩恵を受けたのでしょうか。杉山選手は?森田選手は?結果は、特に強化するはずのダブルスも惨敗だった・・・結果はともかくとして、北京オリンピックに参加した 3 選手に何か恩恵があったのかどうか・・・
また、福田氏が苦言を呈する「プロ集団」に入ってはいないのでしょうか。やっぱり、説明が欲しい!エントリーすればすれるほど徴収される「ワンコイン」は増加するにもかかわらず、その使い道は全くの不明。全てのテニス人に与えられる特権ではない「ワンコイン制度」ですから、その詳細は知りたい、と希望するのは私だけではないでしょう。
選手自身に責任はありません。やはり、テニス界の頂点を構成する統括する団体の「やり方」に相当の問題があると私は感じています。
民間企業では、予算というのは、何に、どれ位の時間を掛けて、どれ位の費用が必要で、その結果、期待される成果、というのがそろって決められるのが本筋です。金額が提出されて、それに合わせて計画するべきではないのです。こうした本筋を、スポーツ界の方々は、きちっと把握すべきでしょう。せっかく、世界に名立たる優良企業が日本に存在しているのですから・・・
