公開日:2008年11月16日 | 最終更新日:2008年11月29日
カテゴリー:テニスの技術, 新しい考え方 | タグ: 伊達公子
「ニッケ全日本テニス選手権 83rd」の女子は、伊達公子選手の圧勝という形で終幕しましたね。素晴らしいメンタルと、それに伴う技は大いに刺激なったのではないでしょうか。私は、テレビ観戦でしたが、娘と何度も伊達選手にプレーに関して繰り返し、いろいろなことを会話しました。
そうした中で、これまで私個人がバスケットボールというまったく違った世界感だけで、「自信」を持って主張していた娘への「強いテニス」への項目の中で、「確信」へ変わった瞬間でもありました。また、これまでの私の主張で、半信半疑だったであろう娘は、少しは私の主張が理解できたようでした。
いくつかを御紹介しましょう。
やっても良いミスショットがある!
私は常日頃、長い試合の中で、ミスショットを「0」にすることは不可能である。だから、ミスショットに拘って、それを修正するために試合中に考え込まないこと。やっても良いミスショットだってある。特に、バスケのように無理なシュートをわざと実践して次のシュートを狙うという攻め方をテニスでも実践できるはず。
昨日、伊達選手の Unforced Error (単純なミスショットと記録されたショット) と瀬間選手のとを比べると、伊達選手のそれは、瀬間選手の 2 倍!つまり、記録上は、伊達選手のミスショットの方が圧倒的に多いわけです。しかし、攻めるテニスを実践している伊達選手の Unforced Error は、「攻める」姿勢の中でのショットであって、対戦相手(瀬間選手)に恐怖感を与え、更には狙いどころを絞らせなかった!
「攻めるテニス」を実践している時、ミスショットの発生はしょうがない!それよりも、試合中のミスショットを反省するのではなく、ミスショットでも対戦相手には効果的な場合もあると解釈すること。」
オンコートでのプレーを意識する!
伊達選手のライジング・・・どうもそのショットの素晴らしさばかりが注目されているようですが、私はそれよりも、「常にオンコート」からのテニスを心掛けている伊達選手の素晴らしさに感動しました。バスケットボールでは、「常に前に出る」ということが基本で(というより、ゴールが前にあるのですから止まっていては負けてしまう)、勝つためには、敵陣での攻撃量を多くするのが基本です。
しかし、娘のテニスを初めて観戦した時、ベースラインから外でのプレーが多いことに愕然として、「オンコートでプレーしなければ勝てない」と言い続けてきました・・・そのために、ネットプレーやライジングショットが必要になるはず、と考えていますが、まさに昨日の伊達選手のテニスは、そうした私の主張を立証してくれた!?と感じています。
メンタル面で、伊達選手は「常に攻める」ことを意識している。その結果として「オンコート」でのプレーが必然で、更にその結果としてライジングショットができたのでしょう。即ち、メンタル面での充実無くしてライジングショットを練習しても意味がない!攻めるテニス・・・この姿勢がなければ、ライジングショットどころかネットプレーもできないわけです。
ショットのスピードよりも展開のスピードを磨け!
パワーテニスとか速いショット・・・最近のラケットの技術の進歩によってそうしたテニススタイルが一般的になっているような気がします。スピン系のガットやパワーストローク用のガット・・・道具に拘ることは重要だと思っていますが、娘には、対戦相手のパワーやスピードは、試合中に慣れてくる。そんな事を追及するのではなく、試合の展開の速さに拘れ、と徹底して主張してきました。
本項目は、上記の「オンコート」とも関連していますが、バスケットボールでも「相手が油断している隙に、以下に速くゴールへ辿り着くかが勝負」と言われていることをテニス用にアレンジしているだけなのです。
テニスの場合、通常 3 つの打点がある。自分が得意とするショットの高さは、対戦相手のリターンがネットを越えて自陣に入ってきた時の最初の打点、コートでバウンドして高さが出てきた時に 2 度目の打点、そして、コートでバウンドして頂点に達し、落ちてきた時に 3 度目の打点・・・これが、私の理屈です。早い展開とは、3 度目の打点を狙うのではなく、2 度目や最初の打点を狙う!
昨日の瀬間選手は、ベースラインから私が主張する 3 度目の打点を狙っている。どんなにスピンを駆使しても、2 度目の打点を狙い撃ちする伊達選手(これがライジングショット)、1 度目の打点を狙う伊達選手(これがネットプレー)。瀬間選手は、圧倒されるだけで、パワーやスピードがあるとは決して言えない伊達選手に対し、「考えていたよりも速かった・・・完敗です」と言わしめた。
世界で戦うためには、どんなにパワーやスピードを鍛えても、黒人や白人にはかなわないのです。体のつくりが違うんですから。そんな事よりも、展開の速さを鍛える・・・私の主張は間違っていない!(できるかできないかは別問題ですのであしからず)
攻めるテニス
伊達選手に「守る」とか「ディフェンス」といった意識はないように見受けられます。当然、攻めるためには、ベースラインでのショットで「しのぐ」ということも必要だったとは思うのですが、全てのショットで「攻める」チャンスを覗っていたように見受けられます。
「コービー・ブライアント::Kobe Bean Bryant」というプロバスケット界の現在の現役での最高選手は、「ディフェンスとは、相手のボールを奪うためにするべきであって、ゴールを阻止するために守ることではない」と常に主張しています。私も全くの同感で、勝負の世界に「守る」という意識は必要ありません。攻めるテニス、攻めることを意識したテニス、更には攻めるためにつなぐテニス・・・決して「守るテニス」という概念は必要無し。
ちょっと哲学に近くなってしまいましたが・・・こうしたことが、私のテニス論の根底にあるわけです。
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