錦織圭選手の敗因は、Best 8 がイメージできなかった・・・

にほんブログ村 テニスブログへ Blog Ranking公開日:2008年09月04日 | 最終更新日:2008年09月05日
カテゴリー:心理学をベースに, 脳科学をベースに | Tags: , , ,

「Air K」こと錦織圭選手。「US Open 2008」で見事 Best 16。素晴らしいストロークに加えて、変幻自在のショットの種類は、日本人らしい器用さが垣間見え、今後の大活躍を予感させてくれる試合内容だったのではないでしょうか。

そうした錦織選手ですが、とても興味深いインタビューの内容が、「スポニチ Sponichi Annex::錦織8強ならず!次戦日本に“凱旋”だ」に掲載されています。

注目の 10 代対決はストレートの完敗に終わったが、錦織に次第に充実感がこみ上げてきた。最終結果は全米オープン日本人 71 年ぶりのベスト 16。「ベスト 8 はすごく上でイメージできなかった。もちろん今は悔しいが、うれしさの方が大きいと思う」。笑顔とは裏腹に目は赤かった。(中略)押され気味のラリーを早く決めたい焦りで「フォア一本に頼りすぎた」と敗因を分析したが「体よりも精神的な疲れがあった」のも事実だ。まだ 18 歳の若さが出たが、試合を重ねる中で克服できることを考えれば、手応えは大きい大会だった。

本ブログにおいて、再三話題にしている「脳科学」や「心理学」ですが、両分野でも重要視している「イメージ」を原因の一つとして述べています。初めての「US Open」、2 大会目のグランドスラム、初めての上位進出・・・始めてのことが多くて、「Best 8 がイメージできなかった・・・」という技術的な問題よりも、心理面での問題と言い放っているわけです。この自信が大切ですよね!

上記から、錦織選手は、他の大会では、きちっと上位進出のイメージができているということになるのでしょう。「イメージ」は、単純に戦うことをイメージするだけでは充分ではなく、五感(臭覚、聴覚、味覚、触覚、視覚)の全てをイメージする必要がある、と岡本正善氏は主張しています。

即ち、試合前に、試合を実践している自分をイメージしながら、更に、会場の風景(視覚)や風の具合(触覚)、更には風に乗ってくる匂い(臭覚)といったものもイメージする必要があるわけです。また、単純に良い自分だけをイメージするのではなく、リードされた時に挽回する自分や、ミスショットをした時の自分もきちっとイメージすること・・・こうしたイメージをより具体的に脳裏に焼き付けることができれば、必ず目標を達成できる、というのが「脳科学」や「心理学」の主張です。

錦織選手、次の大会では、こうした敗因をきちっと生かしてくるでしょうから、今後の活躍は必至といったところでしょうか。

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ここ一番であがらない自分になる本

にほんブログ村 テニスブログへ Blog Ranking公開日:2008年08月23日 | 最終更新日:2008年08月23日
カテゴリー:心理学をベースに | Tags: , ,

OkamotoOkamoto Support 1これまで多くの心理学や脳科学の本を読了し、最終的には、岡本正善氏のメンタルトレーニングが最も理解し易く、それでいて実践方法や練習方法に関しての記述が多く、メンタルトレーニングを自分で実践しようと考えている方々にはお勧めです。

そんな岡本氏の最新刊、岡本正善著「ここ一番であがらない自分になる本」(イースト・プレス:2008年8月)Okamoto Support 2を購入、一気に読了しました。

これまでのような理論的な解説は少ないのですが、これまでよりもより実践的に記述されていますから、直ぐにでもメンタルトレーニングを実践したい方々には、これまでで最も優れた内容になっているのではないでしょうか。(といっても、岡本氏の書籍全てを読了したわけではないので、最良ですとは言えませんが・・・)

岡本氏が主張する「いざという時に力を発揮するための 6 ヶ条」は、この最新刊でも健在で、変化はありません。再度、「6 ヶ条」を記述しておきましょう。

  1. 呼吸法
  2. 緊張とリラックス
  3. 集中力
  4. イメージ
  5. 目標設定
  6. リズム

最新刊では、特に「イメージ」に関して、これまで以上に詳細に記述されていて、五感を使った「体感イメージ」と他人事としての「客観イメージ」の 2 つのイメージに関しての説明が加えられています。それぞれのイメージ関するトレーニング方法が記述されていますから、とても参考になると思います。

私はこれまで、メンタルトレーニングとは、とにかくプラス思考になることだと考えていましたが、本書では、マイナス面を認識したうえで、プラス思考への転換を図ることが重要である、と解説しています。イメージトレーニングでも、良いことばかりをイメージするのではなく、ピンチになったようなこともイメージして、そのピンチを乗り越える時のイメージを実践することが重要だ、としています。

上記は、私にとっては新たな発見でした!

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試合中の素振りは是か非か!?

にほんブログ村 テニスブログへ Blog Ranking公開日:2008年08月08日 | 最終更新日:2008年08月08日
カテゴリー:心理学をベースに | Tags: , ,

ジュニアテニスの大会を観戦していると、多くのジュニア選手が試合の真っ最中に素振りをしている光景をみます。そう言いながら、我が娘も試合中に素振りをすることがよくあります。フォアーハンドストローク、バックハンド、更にはサーブでの手の振り等々。

この光景を見て最近考えていることがあります。それは、この試合中の素振りは良いことなのか!?結論から先に言うと、あくまで独断と偏見でしょうけど、「試合中の素振りは悪いこと」と最近では解釈しています。

最近読了したジム・レーヤー著「メンタル・タフネス」(ワニ文庫:2003年12月)Mental Toughness Support 2においては、テニスは隙間時間の過ごし方が大切で、どうやってこの隙間時間を過ごすかが勝敗を分けるとしています。そして、この隙間時間こそ、自分のベストのプレーができるようにメンタルを調整すべきである、としているわけです。

ところが、試合中に実践している素振りはどんな状況で実施しているでしょうか?通常は、ミスショットをした後やダブルフォルトを犯してしまったようないわゆるミスに対しての修正のための素振りになっていないでしょうか?つまり、せっかくの隙間時間を、既に犯してしまったミスショットを素振りによって再度確認している。もっと言えば、マイナスのイメージを助長している!特別に、ミスに対して原因が明確な場合はこうした素振りも効果があるかもしれませんが、通常はたった数十秒の隙間時間にミスショットを修正することなど不可能だと私は考えています。特にジュニアの選手にとっては。

そんなミスショットの後の素振りに貴重な隙間時間を費やすくらいなら、きちっとそれまでのポイントの動向を熟考して、次のポイントのための戦略を立案するとか、次の攻撃や守備に関する素晴らしいイメージを描いて、次のポイントに備えたりした方が、勝負を考えてた時には効果があると考えます。

日本人は、特にスポーツの世界で大きく外国人と違っているところがあるといわれています。それは、ミスショットに対する対処の仕方。例えば、男子プロゴルファーであるタイガー・ウッズ選手は、試合中はその日で一番良かったショットのみを試合後に何度か練習してその日を終わる。一方で、日本人選手は、最も上手くいかなかったショットを嫌というほど繰り返し・・・この違いが、実は大きな違いとなって試合結果に跳ね返ってくる、と指摘している方々がいらっしゃる。

テニスでも、ロジャー・フェデラー選手は、隙間時間にじっとラケットのガットを見入っているかガットをいじっている・・・決してミスショットの後、素振りをしていませんよね!フェデラー選手のみならず、トップレベルのテニスプレーヤーが試合中に素振りをしている光景は少なくとも私の記憶にはありません。

日本人は、物心がつく頃から、問題点を洗い出し、その問題点を解決するように教育されています。自分の良いところや長所を前面に出すことは、日本の文化として受け入れ難いところがあるわけです。一方で、欧米の文化は、幼い頃から長所を伸ばすように教育されています。良いところを指摘して、強調して、そしてそれを自覚する。ちょっと日本人にはなじまないのですが、それがメンタル面ではプラスの方向付けを可能にする、と考えています。

メンタル面での強化は、上記のような些細なこと!?から始める必要がありそうです。

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仮想的身体運動:イメージするだけで疲れる・・・

にほんブログ村 テニスブログへ Blog Ranking公開日:2008年08月04日 | 最終更新日:2008年09月04日
カテゴリー:心理学をベースに | Tags: , , ,

インターハイに甲子園!高校スポーツは、今真っ盛り。インターハイテニスは、本日は団体戦の準決勝、決勝ですね!全力を尽くして欲しいと思いますが。

私は昨日、NHK でひっそりと!?放送していたインターハイ男子バスケットボールにくぎ付けでした!福岡第一高校と延岡学園高校の九州勢同士の対決でした。私にとっては、新興勢力といったところでしょうか。両チームともに外国人留学生がプレーしていて、ちょっと違和感を感じましたが、最近では当たり前なんでしょうかね・・・

私が高校生の時は、やっぱり未だに王者の称号がふさわしい能代工業高校、首都圏からは京北高校と明大中野高校、日本海側の王者として北陸高校、西からは屈指の進学校、洛南高校、九州の雄として福岡大大濠高校、そして高校生時代に 3 年間完敗した茨城県の絶対王者、土浦日大高校・・・こんな高校がインターハイ常連校でした。なんだかとっても懐かしい。

さて、今年の決勝戦は、九州勢同士の対決で一進一退の攻防。最後に残り数秒でフリースローを得た福岡第一に同点になるチャンスがありましたが・・・全てのフリースローが宙をまい、残念ながら同点になる機を逸し延園高校の優勝という幕引きでした。

放送が終わって・・・とにかく疲れます。私は、中学、高校、そして大学でも体育会系のバスケットボール部に所属していたし、大学では関東学生リーグの 1 部でプレーしていたので、バスケットボールに関しては、ちょっと詳しい!それ故か選手の心理状態は解るし、プレーの難易度も解ります。我妻からは、テレビを見ながら「じっとしてみていられないの?」と怒鳴られるほど動きながら観戦しているようです。

遂に経験できなかったインターハイ決勝の舞台(って、随分と昔なのですが・・・)。テレビ観戦であろうと、自分がプレーしているように、自分のプレーが頭の中で走馬灯のように出現してしまって、知らないうちに体を動かしているようです。

ふっと我に返って・・・本ブログの投稿記事、「サウスポーの脳」に記述した内容を思い出しました・・・再度、下記に記述しておきましょう。

本書の土台になっているのは、イメージである。みなさんが目を閉じて想像するときに頭の中にできるあのイメージである。最近の脳科学の実験により、人間はイメージをするときに身体を動かしていることがわかった。私はこの事実を仮想的身体運動と呼び、「言葉の意味とは仮想的身体運動である」という理論(身体運動意味論)を提唱した。(出典:月本洋著「日本人の脳に主語はいらない」(講談社選書メチエ:2008年4月)No Support 2 p.4)

テレビ観戦中、脳全開といった感じだったのでしょうね!とにかく疲れました。しかし、一つ気になったのですが、試合を観戦しながら、ちょっとしたフラストレーションがありました。スピードに不満があったし、速攻という攻撃にもドリブルが多過ぎるとか。自分だったらな~としきりに反省している自分がありました。結局は、大学で本格的にバスケットボールをやっていたわけですから、そのレベルでイメージしているとすると、やっぱり不満だったのでしょう。

ちょっとテニスへ無理やりつなげると、自分よりもはるかに優れている試合をたくさん観戦することが重要なのかもしれません。イメージもレベルアップする必要がありそうですね。

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サウスポーの脳

にほんブログ村 テニスブログへ Blog Ranking公開日:2008年07月25日 | 最終更新日:2008年07月26日
カテゴリー:脳科学をベースに | Tags: , ,

NoNo Support「ウィンブルドン 2008」男子決勝は、歴史に残る名勝負。ウィンブルドン 6 連覇を狙うロジャー・フェデラー選手に待ったをかけたのは、サウスポーのラファエル・ナダル選手でした。その昔、勢いのあるビョルン・ボルグ選手のウィンブルドン 6 連覇を阻止したのは、テニス界の悪童と呼ばれたこれまたサウスポーのジョン・マッケンロー選手でした。

何かの因縁でしょうか!?サウスポーがウィンブルドンの 6 連覇を阻止する。テニス界には、他にもマルチナ・ナブラチロワ選手、ジミー・コナーズ選手とサウスポーの名選手が存在しています(ちょっと古いかな・・・)

我が娘は、生粋のサウスポー!生まれてから暫くして、何でもかんでも左手で扱うことに気がついて、「右利き」に修正しようと考え、担当医に相談すると・・・「何を馬鹿なことを考えているんだ!左利きは、もともと左利きの脳を持っているんだから修正することにはリスクがある」と主張されたことをきっかけで、左利きを修正することをやめました・・・字を書く、箸を扱う、そしてテニスと全てが左利きです。

そんなサウスポーに関して、ちょと興味深い解説がありました。それは、テニスとはまったく関係のない!?月本洋著「日本人の脳に主語はいらない」(講談社選書メチエ:2008年4月)No Support 2という書籍です。ちょっと興味本位で購入したのですが、なかなか面白い内容なのですが、寝っ転がって読めるような簡単な本ではないので、しっかりと熟読する必要がありますが・・・

本の詳細は、興味がある方は実際に手に取って読んで頂きたいと思いますが、「はじめに」の章に以下のように記されています。

本書の土台になっているのは、イメージである。みなさんが目を閉じて想像するときに頭の中にできるあのイメージである。最近の脳科学の実験により、人間はイメージをするときに身体を動かしていることがわかった。私はこの事実を仮想的身体運動と呼び、「言葉の意味とは仮想的身体運動である」という理論(身体運動意味論)を提唱した。(p.4)

ちょっと難しい言葉が並んでいますが、結局のところ、「人間はイメージをする時に身体を動かしている」ということが重要で、書籍の中でアスリートにとって、イメージトレーニングが重要であるということに触れています。イメージをすることによって、脳における運動を担当している部分が、実際に機能しているというわけです。

これはとても興味深いことで、実際にテニスをすることなく、単にイメージすることによって、テニスをしている時と同じような運動を脳は行っている、ということになるわけです。よって、可能な限り良いイメージを、勝利するイメージを、素晴らしいプレーをイメージすることが重要になるわけです。

そして、書籍の中には、そうした実験の結果を脳の写真を使って説明しているのですが・・・そこに、以下のような解説がありました。

右利きだと左脳のみに反応が出る(右利きの人が運動のイメージをすると左脳の身体運動を担当する部分に反応がでる)。ちなみに左利きの場合、右脳に反応が出たり、左右両方の脳に反応がでたりする。(p.36)

ただでさえ特別と思われがちなサウスポーですが、上記の記述から、脳科学的にも特別であることは、実験によっても立証されているようです。ただ、上記から、右利きよりも左利き、即ちサウスポーの方が、イメージすることによって、より多くの脳を反応させることができるということでしょう!?

まだまだ、興味の尽きない脳科学です。

注:1
月本洋(ツキモトヒロシ)
1955 年東京都生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業。同大学院修士課程修了。現在、東京電機大学工学部教授。工学博士。専攻は人工知能、データマイニング(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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