公開日:2008年07月20日 | 最終更新日:2008年08月26日
カテゴリー:脳科学をベースに | タグ: 勝負脳, 林成之

長女が大学進学時に選んだ専門分野が心理学でした。長女本人が選択したのですが、本当のところ、ここ数年、ビジネス界では、この「心理学」の世界が見直されていて、数年前までは、新卒の大学生や大学院生を積極的に採用することが無かったビジネスの世界で、「心理学」を専門に勉強してきた学生が積極的に採用され始めていたのを知っていたので、私も何も言わずに両手をあげて賛成しました。
しかし、負けず嫌いの私は、「心理学でも子供に負けていられるか!」と何やら変な意欲が湧いてきて、心理学の書籍を買い集めて勉強を始めました。
そうしたまさに心理学を勉強している中、心理学に中にメンタルトレーニングやメンタルヘルスという言葉が登場したことと、次女のテニスの試合でのメンタルの弱さをコーチから指摘されたことが重なって、ますます心理学ににめり込んでいきました。しかし、心理学を勉強すればするほど、理科系の私は、どうしても「科学的根拠」を知りたくなりました。心理学は、統計的なアプローチが多く、経験と実験によるところが多く、「科学的」な立証があまり解説されることが無いのです。常に「本当かな~例外もあるんじゃないの?」といった疑問がありました。
科学的立証が無いと、どんなに素晴らしい理論でもいま一つり納得しないのが、理系の悪ところかもしれませんが、それに輪をかけてコンサルタントという職業柄、問題点ばかりをほじくり返す癖がついていましたので、心理学の世界の曖昧さが許せなくなってきました・・・
そろそろ心理学に飽きてきて、心理学を勉強するのを止めようかなと迷っていた時に、ふっと立ち寄った書店で見つけたのが林成之著「勝負脳の鍛え方」(講談社現代新書:2006年10月)
という一冊の新書でした。
著者の林成之氏[1]は、スポーツドクターとか心理学者といった立場の方ではなく、脳外科医であって、スポーツとは無関係のような立場の方ではありますが、スポーツを見ることもやることも大好きだそうで、ここでいっている「勝負脳」というのは、林氏独自の造語だそうです。
勝負とは、何もスポーツに限ったことではなく、勉強や仕事といった世界でも勝負が展開されていて、本書で展開している内容は、そうした場面でも応用できるとしていて、以下のように説明されています。
勝負脳とは、勝負に勝つための戦略を練る知能(p.12)
理路整然と「勝負に勝つために脳の働きを最大限にする」方法を展開しています。しかも、心理学のような一見精神論に終わらず、科学としての実証を紹介しながら説明されています。
みなさんが幼いときであればあれほど、つまり本能に忠実であればあるほど、ひたすら勝負に勝ちたい一心であの手この手と、相手の意表をつくような作戦を考えたのではないでしょうか。これが勝負脳です。勝負に勝ちたいと願い、相手を上回る戦略をあれこれと考えることは、人間にそなわった本能のひとつなのです。そしてこの勝負脳は、みなさんのふだんの生活、仕事、あるいは勉強など、必ずやりとげなくてはならないことに立ち向かううえでも必要なものなのです。(p.13)
この新書は、衝撃的でした!心理学を脳科学という立場から立証しているようにも感じられるし、それでいて日本人が世界で勝てないのは、「勝負脳」を使っていないだけ、と主張している新書の内容に本当に感動しました。それからというもの、手頃な価格の新書や文庫といった価格の手頃な文献はほとんど購入して読了しました。
これが、私がテニスに脳科学を適用できるだろうと考えたきっかけでした。心理学と脳科学。当然、テニスに限らず、全てのスポーツに技術や体力が必要ですが、もっと効率よくテニス上達の方法があるのでは無いかと考えて、心理学や脳科学を適用したみたいと考えているわけです。
成果は解りませんが・・・それでも可能性はあると確信しています。(と、確信を維持するために自分に言い聞かせている・・・)
注:1
林成之(ハヤシナリユキ)
1939 年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。1989 年、日本大学医学部付属板橋病院救命救急センター科長に就任後、長きにわたって救急の患者たちの治療に取り組み続け、その間、数々の画期的な治療法を開発して大きな成果をあげる。なかでも多くの脳死寸前の患者の生命を救った脳低温療法は、世界にその名を知られる大発見となった。日本大学医学部教授、マイアミ大学脳神経外科生涯臨床教授を経て 2006 年、日本大学大学院総合科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2 Comments »