Project 45 は、日本では成立しなかったのか!?

公開日:2009年01月10日 | 最終更新日:2009年01月10日
カテゴリー:テニス改造論 | タグ: , , | 印刷する 印刷する
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本投稿記事を書こうか書くまいか・・・迷いに迷って、結局は公開することにしました。あくまでも、私個人の独断と偏見での内容ですので、気分を害される方々も多いかもしれませんが、そこは大きな心で、素通りして下さいませ。

早速ですが、錦織圭選手が始動しましたね。2009 年、どこまでランキングを上げてくるのか、テニスファンならずとも、その動向に注目が集まっています。現在、世界ランキング 61 位でしょうか!?楽しみですね。

昨年、「Project 45」なるものが公開されました。アメリカは、「IMG ボロテリ・テニス・アカデミー」における錦織圭選手に対する強化プロジェクト。原文は、「ATPWorldTour.com::Project 45 No Longer A Secret」として公開されています。また、ちょっと翻訳が雑ではありますが、日本語でも「@nifty:Sports@nifty::テニス特集:錦織圭「プロジェット45」の翻訳」として公開されています。本投稿記事は、理解し易いように、翻訳の内容をベースに所感を記述していきましょう。

まずは、錦織選手の可能性に関して・・・

圭は、元プロ選手である松岡修造が主催する合宿に参加し、大好きなロジャー・フェデラーのようなショットをあっという間に真似て見せた。日本テニス協会は錦織に目を付け、ソニーの盛田正明氏の援助で彼にボロテリー・アカデミーの門を叩かせた。

もうこの段階で、私としては大きな疑問があるわけです。上記をちょっとだけ加筆すると、上記の文中、「松岡修造氏が主催する」といっているのは、「修造チャレンジ」ですね。最近では、テレビ放映もされていて、既に、一般の方々にも良く知られるようになってきました。いわゆるトップレベルの日本のジュニア選手を集結させての強化合宿です。さらに「ソニーの盛田正明氏の援護」とは、日本テニス協会が実施している「盛田ファンド」のことですね。より優れた日本のジュニア選手の中でも、その才能が「際立っている」日本のジュニアに与えられるファンドです。

上記から、実は錦織圭選手の才能というのは、既に松岡修造氏も、日本テニス協会も見抜いていたわけです。多分、「将来のテニス界をしょってたってくれるだろう」といった可能性を既に錦織圭選手が 10 歳になる以前から、「日本のテニス界」は感じ取っていたわけです。錦織圭選手が 12 歳の時にアメリカへ行っているのですから、そうした私の理解は間違っていないはずです。

そんな可能性のあるジュニア選手をなぜ日本のテニス界は、アメリカへ輸出してしまったのでしょうか!?「日本で育成しよう」となぜ決意できなかったのか!?私は、以前の投稿記事でも公開していますが、「日本テニス界が、世界で戦う日本の選手を育成することを放棄している」としか考えられなくなってしまうわけです。修造チャレンジも、盛田ファンドも素晴らしい制度という感触はあるのですが、やはり個人的には、現状において、とても中途半端で日本テニス界の衰退を感じざるをえない、というのが正直な気持ちなわけです。

上記のような感想は、「Project 45」を読了しても消えることはありませんでした。ちょっと、その部分を回想しておきましょう。

アカデミーのコーチは最初、圭の心を開かせるのはとても大変だと感じた。自信がなくて控えめで、我々への反応も薄かったけど、彼がストレート・フォア技術の練習(?)が気に入ってるようだと気付いたんだ。最初の数年はみっちり予定を入れて、圭のサービスやトスの動きに取り掛かった。基礎を磨くためにアメフトのボールや野球のボールを何球も投げるように言ったんだ。

上記に関してが、初期段階での「Project 45」です。ちょっと誤解されないように記述しておくと、「彼がストレート・フォア技術の練習(?)が気に入ってるようだ」との翻訳は、「?マーク」は付してあるので、英文を確認してみると、「コーチから直接指導を受けるのが好き」との訳の方が自然ですね!担当コーチが、みっちりとスケジュールを組んで、直接基礎的な練習を実施した、ということです。如何ですか?そんなこと、日本でもできますよね!?サービスは初心者、ボレーはへたくそ、と当時の錦織選手を評していますから、何も特別なことを実施したわけではないのです。

「自信がなくて控えめで、我々への反応も薄かった」錦織選手は、ごくごく一般的な 10 代前半の日本人の子供です。お父様はエンジニア、お母様はピアノ教師ということですが、日本のどこにでもある一般家庭のように私には映ります。そんな日本人の子供に「担当コーチ」が直接教える、何て光景は日本のテニスコートでだっていくらでも見ることができるわけです。

錦織選手が、更に一般的な日本人と確認できる内容も記述されています。

大人しくて礼儀正しい日本社会で育った錦織は、ジュニア選手たちがポイントごとに声を上げたり叫んだりするのを見て、自分には厳しいと感じた。「2年目にフロリダ中を旅してますます家が恋しくなった。」錦織はそう認める。

こんなんこと・・・当たり前ですね!10 代の若者が、平気でいられるはずがないわけで。通常のジュニア選手よりも、錦織選手は、それこそ「日本人らしい」子供だったのではないでしょうか。最近では、外国人を相手に「Come On」と対戦相手を挑発するような日本人ジュニアも多くみられますから。

更に・・・

ハラミロはその後、錦織のキャリアに関係する14名のチームを結集した。彼は言う。「ニック・ボロテリーはストローク担当、レッド・エイムは日々の練習、グレン・ワイナーはトラベリングコーチ、シビル・エイムはヨガ、ドクター・アンガス・マグフォードはメンタル・コンディショニング、スティーブ・シェンバウムはメディア・トレーニング、サリー・パーソネージは栄養管理、ケビン・マードックはフィジカルセラピー、フォン・リンドックとベン・クランデルはエージェント、中島聡碩(さとひろ)は家族との連絡係、ファン・エレラはバイオメカニクス、中村豊はフィジカル・コンディショニング。」

これもそんなに珍しいことではないのでは!?ストロークとサーブは違うコーチ、なんていうプロ選手は、日本にも存在していますよね!?経済的な問題やシステムの違いこそあれ、日本のテニス界が、上記のような複数コーチが担当するといったシステムを知らないはずがないのです。競技こそ違っていますが、マラソンの高橋尚子選手が「チーム Q」を結成して、オリンピックを目指したのは有名ですが、既にほかの日本の競技では実践しているような内容です。これも、特別なことではありません・・・

上記のように、アメリカで錦織選手が実践してきた内容に、「アメリカでしかできない」といった特別なものがあるとは到底思えない!いわば、アメリカテニス界における「強化」に対する姿勢が、日本のものとは比べ物にならないほど「上」だった、と言う他はない、と感じます。当然、文中にはない設備の問題もあるでしょうけど、360 度から観察できるビデオ撮影システムって・・・日本企業の提案ですよ、これって。

水泳の北島康介選手、マラソンの高橋尚子選手や野口みずき選手、更にはフェンシングの太田雄貴選手・・・個人競技における日本の活躍は、少しづつではありますが、その可能性が見えてきた!日本のテニス界も錦織選手をみている限り、「可能性の発見」ということでは、世界に劣っているとは言えません。また、ジュニア選手を観戦していると、世界で十分に戦える可能性のある選手はいくらでも存在している・・・

ただ、そうした可能性のある選手を日本で育成していこうと考える監督、コーチ、そして親が少な過ぎる・・・そして、肝心の「育成するためのプログラムやシステム」が欠落している!そう考えてしまうのは、私だけなのでしょうか!?

投稿記事の “Project 45 は、日本では成立しなかったのか!?” へ 6 つのコメントがあります。

  1. 一徹 さんのコメント:

    私は日本とアメリカの違いは義務教育だと思います。
    日本にいたら中学生は8時半~15時くらいは中学校に行きます。
    アメリカのニックボロテリーなら学校の時間はもっと少ないです。

    素質が同じくらいなら、学校に行ってる子と練習をしている子は
    練習をしている子が強くなると思います。

    奈良くるみちゃんがニックボロテリーから早めに帰ってきたのは、
    テニス漬けの生活が嫌だったからじゃなかったでしたっけ?

  2. Zero Cool さんのコメント:

    一徹さん
    コメント有難うございます。義務教育ですか・・・そういう考え方もありますね。ちなみに、最近では、通信教育をする日本人が多くなっているようですから、これから日本からも世界に名立たる選手が出てきますかね!?(実は、私はそうは思わないんですよ・・・残念ですが。)奈良選手のことはよく知りませんが、やっぱり日本人の覚悟の問題だと思うんですよね・・・

  3. 星香 さんのコメント:

    盛田ファンドはあくまで、盛田会長が個人的に行っているものです。

    自分で世界に通用する選手を育てたいが、教えられないので、アメリカのニックボロテリーを彼が選んでお願いしたという訳ですね。

    日本テニス協会の会長になったのは、その後なので、日本テニス協会と、盛田ファンドは基本的に無関係です。

    が、盛田ファンドで選抜されたジュニアを、何かと優遇する雰囲気があるので、分かりにくいかも知れませんね

    ようは、お金持ちのテニス好きのおじさんが、自分のお金で、選手を育てようとしているみたいな感じかな

    さて、日本ではなぜ世界に通用するプロを養成しづらいのか

    はやり、練習の環境がないのも問題でしょうね。

    普通の子は、平日昼間は学校に行っているので、まず練習相手を確保するのが大変ですね。

    うちのクラブで見ていてそう感じます。

    もちろん、コーチがついてプライベートでレッスンし、トレーナーについてトレーニングすることは、うちのクラブでも可能ですが
    半日もあれば終了してしまいますよね〜
    自分より強い選手や、同レベルの選手と常に練習する環境があまりない

    たまには、プロの選手と約束して、打たせてもらうのは可能ですが、例えば高校生が常にプロと練習してもらえる環境はなかなかないです。

    コーチがセッティングしてになるでしょうが。

    荏原なんかは、その点高校生の日本トップジュニアの男子が伊達さんや藤原さんと練習していましたから、環境は少しはととのっているのかな

    一番良いのは、ナショナルトレーニングセンターに、プロやトップジュニアが集まり、そこを中心に練習できたら

    プロがジュニアと自ら練習することは少ないでしょうから、コーチの調整が必要ですが

    ツアーを回るにしても、高校生の選手が一人で回るには限界もありますね

    その点、盛田ファンドで選ばれたなら、遠征にもコーチが付いてきてくれるし、アメリカ以外の外国の試合を回る費用や、エントリー代も、すべて出してもらえるから楽ですよね〜。

    つまり、トータルしてひとつのアカデミーで揃っているということ。

    メンタルのコーチも、トレーニングのコーチも、ツアーコーチも、別に頼む必要がないなら、楽ですよ。

    選手も沢山いるから、練習相手にも不自由しないし。
    レベルがあがればプロとも練習できるしね

    日本は、良いコーチはいても、そのコーチがすべてを担うことは出来ないし、プライベートコーチでもない限り、(すべての)遠征にもついてきてくれないし。

    そのあたりかな〜と思いますが。

  4. Zero Cool さんのコメント:

    星香さん
    流石に説得力がありますね。やっぱり練習相手というのは、日本では難しい課題ですよね!特に男子の場合は!強くなればなるほど、男子の場合、練習相手を見つけるのが大変、とどっかのブログで読みました・・・

    それでも、北島康介選手のような水泳ではありますが、世界で通用する選手を育成することができるのですから、テニスももうちょっと何とかなる、と感じているのですが・・・

  5. sho さんのコメント:

    コメントでも自分のかよっているクラブに不満を持っているひとがいますが、そんなら他のクラブに行けばいいと思うんだけど違いますか。 僕もそれで他のクラブに移ったし。 日本のコーチやクラブに不満があれば外国に行ったらいいんじゃないですかね。

  6. Zero Cool さんのコメント:

    shoさん
    コメント有難うございます。いろいろな意見があって良いと思いますが、本投稿記事では一テニスクラブの課題ではない、ということを指摘したいのです。また、外国に行けない選手だっているわけです。そうした選手を発掘していかなければ、日本のテニスの将来はないのでは!?ということを言いたかったんです。

    今の日本テニスは、もうちょっと視野を拡げないと、本当に先細りしてしまいそうな気がしているわけです。

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