ゲームマネジメント

公開日:2008年07月26日 | 最終更新日:2008年07月26日
カテゴリー:テニスの技術 | タグ: , | 印刷する 印刷する
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日本ヒューレットパッカード(以下、HP と表記します)は、伊達公子選手のスポンサーなんですね!よく知られたコンピュータ関連の販売を事業とするアメリカに本社をおく優良企業です。私も、HP とは仕事上のお付き合いがあり、数千万円の発注依頼をすることもあるので、仕事上、無視できない企業です。

そんな「日本 HP」が、伊達公子選手に関する特設サイトを立ち上げました。「HP × クルム伊達公子選手」というサイトで、「テニスマガジン誌編集長による特別連載コラム(第 1 回 宮崎編)」というコラムが公開されています。

公開されたコラムには、本物のテニスに関する内容が、ふんだんに掲載されているように感じましたので、引用させて頂きながら私の所感を記述していきたいと思います。

両足のケイレンだった。短い休憩を取り回復に努めながら、クルム伊達は「どこで勝負に出るべきか、そのタイミングを探っていた」という。単純にストレート決着に走るのではなく、自分が置かれている状況を冷静に判断しながらゲームマネジメントに徹するあたりは経験の豊富さだろう。

テニスというスポーツは、サービスの間、ポイントの間、セットの間など、意外とゲームがストップすることが多いスポーツです。1 時間の試合であれば、いったいプレーしている時間はどれ位なんでしょうか・・・とても短いと思うのですが。一方で、そうしたストップしている時間をどれだけ有効に利用するかが大きな勝敗の分かれ目だと思っています。単純に緊張感を増してしまっていては、勝利することができない。緊張感をうまく利用して、次の展開を計画する・・・即ち、「ゲームが止まっている時間の使い方」が非常に重要です。

上記から、伊達選手は、ゲームが止まっている時間を「回復」に利用し、更には 3 セットを試合の全工程としてきちっとしたゲームプランを持っている。マネジメントとは、我々ビジネスの世界では、計画すること (Plan)、その計画を実行すること (Do)、実行したことを検証すること (Check)、そして検証した内容を新たな計画に反映すること (Act)、といった PDCA サイクルを回すことを指します。

「どのタイミングで勝負するか」を計画し、「勝負どころで攻めてる」という計画を実行して、検証しては修正を加えているのでしょう。テニスの場合、技術や体力といった事項よりも、「何か他のもの」が必要ではないかと考えていた私には、こうしたマネジメント能力の必要性は新鮮な内容です。

更に記事は続きます。

最大の武器はボールの上がり端を捕らえるライジングショットだが、それだけではない。流れを変えるサーブ&ボレー、柔らかいタッチのドロップボレー、サービスライン付近でのドライブボレー、さらにネットへ出て行くアプローチショット……こうしたショットが状況に応じ、正確に、的確に繰り出されていく。そのプレーはボールを強く叩き、ボールの勢いで勝負している多くの日本選手とは明らかに異なっていた。

上記に関しては、常に「日本選手が世界で戦うためには、絶対的にショットの種類を増やす必要がある」と主張している私の考え方を裏付けてくれる嬉しい内容です。

また、試合が止まっている時間も下記の文章から、伊達選手が有効に利用していることを立証していると考えることができるでしょう。

米村選手がファーストサービスをフォルトしたあとのセカンドサービスで、リターンのポジションを極端すぎるほどセンターへと寄せた。混乱した米村選手は痛恨のダブルフォルト。多彩なショットを操るだけではなく、こうした心理面の揺さぶりから相手を崩すこともできる。「そこは頭を使って、作戦ですよ」。

テニスは、技術や体力も必要ですが、それ以上に心理面、更には知力が必要だと考えています。ストップする時間が長いだけに、そうした時間をどうやって活用するのか。作戦を立てるには、十分な時間があるし、緊張をコントロールする時間もあるわけですから、もっともっと時間を有効に利用する Know-How が必要だと考えています。

クルム伊達は大事なポイントになればなるほど自分から仕掛けていく。そうしないとポイントは獲れないし、試合にも勝てないことが痛いほどわかっている。

「大事なポイント」というのは、まさに試合をマネジメントしていないと意識することはできません。ワンショット、ワンショットに一喜一憂するのではなく、試合をきちっとマネジメントすること・・・これがどうやら勝利への方程式のようですが・・・

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